交流分析を学ぶ中で自我状態を把握する為に、エゴグラム・チェックリストが使われているのはご存知だと思います。
デュセイ先生が「人はそれぞれ一定の心的エネルギーをもっている」という考えで発案し分析や治療に活用していた方法を元に、九州大学心療内科で新里里春先生(現琉球大学教授/日本交流分析学会理事)が、客観的にしかも標準化できるように考案したものが最初です。その後研究開発が進み、様々なエゴグラム・チェックリストが開発・活用されてきました。
その種類・特徴・入手先などをまとめてみました。参考にして下さい。
市販されているものには、発売元を示しましたので各自お問い合わせ下さい。
◎ECL
新里里春先生(琉球大学)を中心にした研究グループと東京大学心療内科との共同開発された質問紙法エゴグラム。48の質問項目からなり成人用。(1979年)
◎ECL−R
ECLを元に因子分析等の統計学的手法が加えられたもの。新里先生ら琉球大学のグループによる。(1984年)
◎JHECL
中学生、高校生を対象にしたもの。65問の質問からなる。新里先生ら琉球大学のグループによる。(1986年)
◎ECL−R2
ECL−Rに虚偽のスケールを加えた改訂版(1990年)
◎SGE
桂戴作先生、芦原睦先生(中部労災病院心療内科)を中心に中京心身医療ワークショップのスタッフによって開発された質問紙法エゴグラム。
従来のエゴグラムが各自の機能状態を示したのに加えて、自己変容と自己成長への具体的ステップが取れるように工夫されたもの。(1986年)
これを元に243のパターンを明確にし行動変容への方法を示唆した書(自分がわかる心理テスト・パート2:講談社)も出ている。
◎TAOK
杉田峰康先生(九州大学時)と水野正憲先生(岡山大学)によって開発された質問紙法エゴグラム。自我状態と基本的構えを同時に測定できる。
同じようなエゴグラムの形を示す人が、実際の生活場面で異なった対人関係や行動パターンを示す理由を明らかにする事が可能になった。
偏差値により示されたグラフと虚偽尺度が特徴。
コンピュータを使っての解析及び診断をしてくれる(有料)。
発売元:適性科学研究センター(岡山県)
◎TEG
作成過程で多変量解析を用い、テストとしての妥当性と信頼性が十分に検討されたもの。60問の質問で、標準化したスケールを用い、テストに対する応答態度や防衛反応なども把握できる。1984年に東京大学心療内科で開発された。
発売元:金子書房(東京都)
◎PCE
水野正憲先生(岡山大学)によって開発された質問紙法エゴグラム。心のエネルギーが柔軟に変化、移動するものと考え、これを「透過性調整力(PC)」がコントロールするという考え方による。ガイドブックにより自己発見から行動修正までできるようになっている。
発売元:適性科学研究センター(岡山県)
◎AN−EGOGRAM(小児用エゴグラム)
自我の発達を評価したり、集団療法の効果や経過を追跡することが可能。両親用のエゴグラムと合わせて親子関係を解明することも出来る。小学生以上対象。赤坂徹先生(国立療養所盛岡病院、埼玉医科大学小児科)の開発による。
発売元:千葉テストセンター(東京都)
◎CB-E(Coping Behavior Egogram=対処行動エゴグラム)
CB-Eとは、ストレス状況下における行動パターンをみるための心理テストで、芦原睦先生を中心とする中部労災病院心療内科で開発された。
ストレス対処理論で著名なラザルスの8つの対処行動を用い、エゴグラムの5つの自我状態と8つの対処行動因子を比較。CB-Eは、その検討の過程で得られた注意点をもとに、TA理論によるストレス対処行動を把握するエゴグラムとして作成された。
15歳〜成人向け
発売元:株式会社チーム医療(東京都)
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[参考] |
エゴグラム,創元社 |
自分がわかる心理テストPart2,講談社 |
【新装版】交流分析とエゴグラム,チーム医療
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エゴグラムパターン,金子書房
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PCE,適性科学研究センター |
エゴグラム実践マニュアル
自己成長エゴグラム(SGE)と対処行動エゴグラム(CB-E)、チーム医療 |
◆連絡先一覧
金子書房
住所:〒112 東京都文京区大塚3-3-7
電話:03-3941-0111
適性科学研究センター
住所:〒700 岡山県岡山市伊島町1-3-2
電話:086-256-3690
千葉テストセンター
住所:〒167 東京都杉並区下井草4-26-4
電話:03-3399-0194
株式会社チーム医療
住所:〒170-0005 東京都豊島区南大塚2-42-1 折原ビル
電話:03-3945-0771
□上記に連絡先を記載した以外のエゴグラム・チェックリストは非売です。 |